昭和40年5月1日設立認可
琵琶湖北端の史蹟賤ケ岳の麓に位置し、高時川、余呉川、草野川沿岸に展開する湖北平野一帯の既成田4,691haである。その補給水源の余呉湖は幾多の伝説を生んだ風光明媚な陥没湖で琵琶湖水面より49メートルの高所に有り、満水面積197ha、貯水量1,470万m3を擁しているが、湖北地方の開発にこの天然の余呉湖の利用が注目を浴び、洪水調節と農業用水を目的とした余呉湖ダム化による湖北総合開発が計画されるに至り、昭和40年度から国営農業水利事業が着手された。続いて44年から県営かん排事業が、46年からはほ場整備事業についても順次事業が進められた。
当土地改良区の受益地域は1市5ケ町にまたがり、組合員の多くは兼業農家である。その後、機械化による営農体系の変化や、ほ場整備実施により減水深の増大等の問題に対処するため、昭和55年、国県営事業計画の変更が行われた。
大型機械利用による近代的農業経営基盤の確立を目指した湖北土地改良事業は、事業着手以来21年の歳月をもって昭和61年度に完了した。
しかし、近年地区内の営農形態の変化により、用水量が増加していることに加え、余呉湖において水環境・景観保全の面から利用することが困難になってきている。このため、琵琶湖から余呉湖に補給する余呉湖第二補給揚水機及び第二補給送水路を増設するとともに、老朽化した水路等の改修を行い、用水の安定的な供給による農業経営の安定を図り、併せて地域用水機能の維持及び増進を図るため、平成10年度より国営事業として160億円の事業費により新湖北農業水利事業に着工、平成21年に完工した。